(後藤文彦の頁) (Retpaĝo de GOTOU Humihiko) (暴走しやすいシステムと暴走しにくいシステム)

合理化英語 案(02/4/10準備開始)


(Propouz-ness ov Raxonal-aiz-ed Inglix *)

英語学習の頁を捜していてここにたどり着いてしまった人への注意


 この頁は英語の文法や発音の解説をしている頁ではありません。 簡単に言うと英語を使いやすく改造しましょうという頁です。 この頁で解説されている文法や発音を英語の文法や発音のことだと勘違いして 覚えたりしないようにくれぐれも注意して下さい。
* 英語を表音表記にしようといったような意味での「Inglish」みたいな 提案(や皮肉)は、既に でなされているようなので、 ここでは (表記だけでなく文法や発音も簡単にしようという) 以下の提案を、そのような既存の表音化英語と区別する意味で、 Raxonal-aiz-ed Inglix(合理化英語)とでも呼んでおくことにする。 Inta-naxonal-aiz-ed Inglix(国際化英語)でもいいかとは思ったんだけど、 検索してみると、Internationalized English というのも結構あるようだし。

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al la paĝo de GOTOU Humihiko
Esperantlingva versio
日エス対訳版
注意

目次
はじめに
1) 単語と文法
1-0) 懸垂分詞を認める
1-1) ラテン語を避ける

1-1a) -ness を付ければ名詞になる
1-1b) -al を付ければ形容詞になる
1-1c) -ly を付ければ副詞になる
1-1d) -ize を付ければ他動詞になる
1-1e) -en を付ければ自動詞になる
1-1f) counter- を付ければ反対語になる

1-2) 冠詞を使わない
1-3) 複数形を使わない
1-4) すべて加算名詞にする
1-5) 数体系を整理する
1-6) 三単現の s はなくす
1-7) 過去形/過去分詞形はすべて -ed にする
1-8) 否定は not を否定したい語の直前に置く
1-9) yes/no-疑問文は文末を上げるだけでよい
1-10) wh-疑問詞を文頭に出したり、それに伴う倒置をやめる
1-11) -m を付けて目的語を明確にする
1-12) 代名詞の性区別をやめる
1-13) 代名詞体系の整理

2) 発音と表記
2-1) 母音は aiueo の 5 音とする
2-2) 1子音は1文字で表記する
2-3) アクセントは語頭に置く


はじめに

 私は趣味としてエスペラントをやっているのだが、 (そのヨーロッパ語的な性区別ラテン系高級語彙などに不満はあるものの)、 習得の容易さや中立性という点では、 (国際的な橋渡し語として)確かになかなかうまく考えられた言語だと感じる。 一方で、そういうエスペラントと比べてしまうと、 「事実上の世界共通語」として利用されている英語が、なるほど 実に習得困難で、使いにくい厄介な言語だとも感じる。 とは言っても実際問題として、 「事実上の世界共通語」として既に世界じゅうの様々なシステムの中で 広く利用されて定着してしまっている英語をエスペラントに置き換えるなんてことは、 (コストの面からも)まず非現実的な話であり、 今後も当面は、英語を「事実上の世界共通語」として利用し続けざるを 得ない状況であろうという認識も私は持っている。 しかし、そんなふうに英語を必要悪として利用することを受け入れるにせよ、 現行の英語のままでは、いくらなんでも、ひどすぎると思う点は多々ある。 アメリカ人やイギリス人が母語として話している英語を、 民族語として習得することが目的の人なら、英語の使いにくさや不合理な点も含めて 習得すればいいだろうけど、 英語を異言語間の橋渡し語として仕方なく利用しているだけの人たちは、 「橋渡し語としての英語」を「民族語としての英語」とは切り離して、 もっともっと使いやすい道具に作り変えていけばいいと私は思っている。 というか、 「橋渡し語としての英語」と「民族語としての英語」との乖離は、 既にある水準では進行しているのだから、 (定冠詞が減少の一途をたどっているとか、 懸垂分詞が多用/許容?されるようになってきたとか)、 そうした乖離を、もっともっと意識的に計画的に推し進めていったら、 (エスペラントみたいに最初から「学習容易性」を目的に計画された 言語には及ばないとしても)それなりに整理された (少なくとも現行の英語よりはよっぽど使いやすい道具としての) 橋渡し語ができあがらないだろうかというのがこの頁の趣旨である。 というか、実は 斎藤成也さんここの「1/10/00」の日付のところで書いている「科学英語」の提案に 私は共感したのだけれど、 ここでは、そうした提案の方向性を (計画語ゆえのエスペラントの使いやすさを実感する私なりの視点から) 更に徹底してみた訳である (たぶん、この手の提案は私の他にもたくさんやられているだろうけど。 もし、私の提案よりもずっと整理されて合理的なものを知ってる人が いたら教えて)。 以下には、 単語と文法発音と表記、 という項目に分けて、おおよそ 「それなりに現実性が高い(と私が判断する)提案から 現実性が低い(と私が判断する)提案へ」の順に並べている。 勿論、以下に列挙する全ての提案を実現したとしても、 英語という民族語から出発した改造/整理である以上、 エスペラントのように最初から「学習容易性」を念頭に置いて計画した言語には (容易性・合理性の面で)所詮 及ばないとは思う (例えば発音を簡単にした弊害として同音異義語が増えてしまうとか)。 しかし、現実に仕事や生活で英語を使う必要にせまられて苦しんでいる人々にとっては、「だからエスペラントを世界の橋渡し語にすればいいんだ」 みたいな実現可能性の低い「崇高な理念」を聴かされても、 何の慰めにもならないし、 英語を使わされることへの抵抗の意思表示として 「エスペラントを使ってやろう」なんて気を起こす人は極めて少数だろう*。 勿論、ある運動が目指す方向性を示す上で「崇高な理念」を掲げること自体は 大いに結構なことだと私は思うけど、 一方で、多少は現実的な実現可能性の高い妥協案/譲歩案的な提案もあったって いいだろうと私は考えている。 例えば、 「冠詞なんて、どんどん使われなくなってきてるんだから、 いっそのこと冠詞を使うのを一切やめてしまおう」 とか 「ophthalmologist(眼科医)みたいなラテン系難解語彙を 苦労して覚えるのはやめて、 eye doctor(目の医者)みたいな基本単語の組み合わせで表現しよう」 程度の提案だったら、 それにのってくる人は(少なくともエスペラントをやってみようという人よりは) いそうな気がするし、 確信犯的に冠詞を使わないことや、 確信犯的にラテン系語彙を基本語で言い換えることで、 英語を使わされる不平等への抵抗の意思表示をしようと考える人も それなりには現れるかも知れない。

*) ここにも書いたように、 エスペラントをやっている人というのは、 「外国人と交流したい」 という趣味的な動機と 「言語差別を解決する方法を模索したい」 という思想的な動機とをある割合で併せ持っていると思う。 ここ の「03月16日(木)09時19分55秒」の書き込みのところにも少し書いたけど、 言語差別云々を吐かす私にしたって、 エスペラントで外国人と交流ができて 楽しいからやっているという側面はかなり大きい。 尤も、 ここにも書いたけど、 エスペラントに、そういう「外国人との草の根交流が楽しめる」という程度の 実用性すらが仮になかったとしても、 「中立な橋渡し語が必要だ」という動機に基づくエスペラント普及の 運動が無意味だとは私は思わない。今日までの社会で、現実に言葉による 不平等/差別が存在する以上、その不平等/差別の存在を周知させ、 その不平等/差別を是正する方法を提示し続けることには十分な意義があると 思う(念のため)。

 また、このような提案を具体的に書けば、 英語のような民族語がどうして習得困難で使いにくいのかということが 見えてくるかも知れないし、 それに比べてエスペラントのような計画語が、 どうして習得容易で使いやすいのかという理由も想像しやすくなるかも知れない。 尚、以下の提案は、まだまだ整理され切っているとは思わないので、 他の人の意見や批判を受けながら適宜 修正を加えていくかも。 各例文には、以下の全ての提案を採用した場合の 「Raxonal-aiz-ed Inglix」訳も適宜 併記する。

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1) 単語と文法

1-0) 懸垂分詞を認める

 懸垂分詞(dangling participle)を認めることにする。

 懸垂分詞というのは、分詞の意味上の主語が文の主語と一致しない例えば、 次のような分詞の使い方を言うらしい。

Eq.1 is derived from Eq.2 using Eq.3.
(式-3 を使って 式-2 から式-1 が導かれる)

つまり、式-3 を使っているのは式を導いている人であって、 式-1 ではないということだろう。実際、 英語やヨーロッパ語を母語とする人たちは、

We derive Eq.1 from Eq.2 using Eq.3.
(私たちは式-3を使って式-2から式-1を導く)
とか
One can derive Eq.1 from Eq.2 using Eq.3.
(人は式-3を使って式-2から式-1を導ける)

みたいに式ではなく人を主語とする能動態の文を好むようだ。 しかし、懸垂分詞を使って式を主語とする受動態の文も、 恐らく英語を母語としない人々によって広く使われ既に かなり普及してしまっているので (特にそれで問題もおきていないようだし)、 ここで改めて「懸垂分詞を認めよう」なんて言うまでも ないのかも知れない (式を主語とした受動文と人を主語にした能動文の 長短については ここ)。
あと、研究(論文)の題目とかで、

####-analysis using ****-method
(****法を用いた####解析)

みたいなのがよくある。 こういうのも、「****法」を用いるのは人であって「####解析」 ではないという意味で懸垂分詞と取られたりするのだろうか?  私からすると、use(用いる)の主語が「####解析」だって いいじゃないかという気がする。 例えば「電気を使う車」を「car using electricity」と言うのは、 現行の英語では問題があるんだろうか?  あるいは、use の主語を人以外にすることが問題だったりするんだろうか (英語を母語とする人には)?  まあ、いずれにせよ、 「 ####-analysis using ****-method 」 みたいな表現も既に広く普及して定着してしまっているので、 これに関しても、ここで改めて「認めろ」なんて言うまでもないだろう (もしかして、昔から英語で使われてる表現だったりして)。

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1-1) ラテン語を避ける

 ラテン・ギリシャ系の高級語彙を避け、基本語からの造語を多用する。

algorithm(アルゴリズム) -> calculate-procedure(計算-手順)
anachronism(アナクロニズム)-> epoch-error(時代-錯誤)
entomology(昆虫学)-> insect-science(虫の科学)
otorhinolaryngologist(耳鼻咽喉科医) ->  ear-nose-throat-doctor(目-鼻-喉-医者)
mnemonics(記憶術) -> memory-technic(記憶-技術)
subvention(補助金)-> help-money(助ける-金)

 英語が基本語からの造語をせずに安直にラテン系の高級語を大量に 取り込んでしまっているために語彙の習得が非常に困難になっているという問題に ついては、ここここで書いた。 なお、エスペラントにおけるラテン系高級語彙の基本語による置き換え例 (単語集)を ここに示した。 因みに、 斎藤成也さんここの「1/10/00」の日付のところで書いている「科学英語」でも 「死語であるラテン語を学名に使うことをもうやめよう」 「学名だけでなく,科学英語からラテン語を追放しよう」 という「ラテン語撲滅運動」を提案していて、斎藤さんが編集長をしている 雑誌『Anthropological Science』において、 et al. (=> and others), etc. (=> and so on), e.g. (=> for example) といったラテン略語の使用を禁止している(斎藤さんの「 学名にラテン語は必要か」も参照のこと)。

掲示板上で、 私が非ラテン系の語彙もごっちゃにしてラテン系語彙と呼んでいるとの指摘を受けました (私の返答)。

 さて、このように基本語からの造語をやりやすくする上で、 エスペラントにおいては、接尾辞や接頭語が巧みに利用されている。 英語においても、様々な接辞がもっと活用しやすくなるといい。 以下に、いくつかの接辞の案を示す。尚、以下の文例では、 次項の 1-2) で提案するように冠詞を使っていない。

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1-1a) -ness を付ければ名詞になる

 名詞以外のあらゆる単語は、接尾辞 -ness を付けることで名詞化できる ことにする。 economic(経済の) のように、名詞形(economy)が既に存在している 単語に対しても、その単語を知らなければ economic-ness と造語しても いいことにする。 但し economic の語尾の -ic が形容詞化のための接尾辞だということが 理解できるならば、語幹 econom だけを取り出して econom-ness のように 造語することを推奨する。 そうすると、economic-ness や economy や econom-ness が共存する ことになるが、将来的には「語幹-ness」の形の名詞を 優先的に残していくことにする。 勿論、money-science のような基本語からの造語も妨げない。

why-ness(理由)
how-ness(やり方)
by-ness(手段)
here-ness(ここ)

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1-1b) -al を付ければ形容詞になる

 形容詞以外のあらゆる単語は、接尾辞 -al を付けて形容詞化できる ことにする。 これも 1-1a) と同様に、 できるだけ語幹を抜き出して形容詞化していくことを将来的には推奨する。 例えば、1-1a) から得られる econom-ness (経済) という単語から派生される econom-al(経済の)の形を 既存の economic よりも推奨し、将来的には、「語幹-al」の形の 形容詞を優先的に残していくことにする。

Where-al shop you went to ?(どこの店に行ったんだ?)
To wea-al xop yuu gou-ed ?
(To wea-z xop yuu gou-ed ?)
Which-country-al wine you like ?(どの国のワインが好きですか)
Wic-kantri-al wain-m yuu laik ?
(Wic-kantri-z wain-m yuu laik ?)
Here-al shop is good.(ここの店はいい)
Hia-al xop bii gud.
(Hia-z xop bii gud.)
When-al bread is this ?(これはいつのパンですか)
Wen-al bred bii dis ?
Wen-z bred dis bii?
that-time-al person(あのときの人)
dat-taim-al paason
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1-1c) -ly を付ければ副詞になる

 副詞以外のあらゆる単語は、接尾辞 -ly を付けて副詞化できる ことにする。 これも 1-1a) , 1-1b)と同様に、 できるだけ語幹を抜き出して副詞化していくことを将来的には推奨する。 例えば、1-1a) の econom-ness や 1-1b) の econom-al から派生される econom-ly(経済的に)の 形を既存の economically よりも推奨し、将来的には、「語幹-ly」の形の 副詞を優先的に残していくことにする。

I must-ly came.(私は義務として来た)
Mi mast-li kam-ed.
I try-ly do it.(私は試しにそれをやってみる)
Mi trai-li duu itm.
this-sense-ly(この意味で)
dis-sens-li
my-opinion-ly(私の意見としては)
miz-opinion-li
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1-1d) -ize を付ければ他動詞になる

 動詞以外の単語に接尾辞 -ize を付けると「……にする」 「……化する」の意味の他動詞になることにする。 自動詞に接尾辞 -ize を付けた場合は、「……させる」の意味の 他動詞になることにする。 目的語を一つ取る他動詞に -ize を付けた場合は、 「(間接目的語に)……を……させる」の意味の他動詞になることにする。 但し、この場合の間接目的語は、前置詞 to を伴った副詞句として与える ことにする。

Japaneses-ize this English.(この英語を日本語にしてくれ)
Japaniiz-aiz dis Inglixm.
Come-ize that person.(あの人を来させて)
Kam-aiz dat paasonm.
I eat-ize food to child.(私は子供に食べ物を食べさせる)
Mi iit-aiz tu caild fuudm.
I must-ized-ly learn English.(私は強いられて英語を学ぶ)
Mi mast-aiz-ed-li laan Inglixm.
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1-1e) -en を付ければ自動詞になる

 動詞以外の単語に接尾辞 -en を付けると「……になる」の意味の 自動詞になることにする。 他動詞に -en を付けると「……される」の意味の自動詞になることにする。

warm-en(暖かくなる)
woom-en
I student-en-ed.(私は学生になった)
Mi stuudent-en-ed.
I en can-al speak English.(英語が話せるようになる)
Mi en kan-al spiik Inglixm.
I can-al-en speak English.(英語が話せるようになる)
Mi kan-al-en spiik Inglixm.
I interest-en in music.(私は音楽に興味がある)
Mi intarest-en in myuuzik.
I satisfy-en with it.(私はそれに満足だ)
Mi satisfai-en wid it.
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1-1f) counter- を付ければ反対語になる

 (意味が成立する限り)どんな単語も、接頭辞 counter- を付けると 反対語や対義語になることにする。

counter-long(短い)
kaunta-long
couter-eat(吐く)
kaunta-iit
counter-ly(逆に)
kaunta-li
counter-ize(逆にする)
kaunta-aiz
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1-2) 冠詞を使わない

 冠詞 a, an, 定冠詞 the は使わない。

斎藤成也さんここの「1/10/00」の日付のところで書いている「科学英語」でも 冠詞を使わないことが提案されている。 斎藤さんは、雑誌『Anthropological Science』に文章を書くときは、 冠詞(a, an, the)を全く使わないそうだ。 因みに私はエスペラントの冠詞もなくなっていいと思っている (というか、現行のエスペラントでも冠詞を使わないことは別に 文法違反にはならない)。

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1-3) 複数形を使わない

 複数を表す接尾辞 -s は使わない。単数形と複数形の区別をしない。

 複数であることを強調したいときは、 単語の前に some(いくつかの)や many(たくさんの)を付け、 単数であることを強調したいときは単語の前に one を付ける。

 some book(いくつかの本)
 sam buk
 many person(たくさんの人)
 meni paason
 one word(一語)
 wan waad
  

 ついでに代名詞の複数もやめるとすれば、

some I(私たち)
sam-mi
some you(あなたたち)
sam-yuu
  

 みたいにしてもいい。因みに、they(彼ら)は、昔の英語では 単数でも使われていたらしい。ということは、they は 男女を区別しない三人称代名詞の候補になるかも知れない。

 ついでに、名詞に -s を付けたら、所有格になることにしてもいい (但し発音は z )。ついでに、代名詞や疑問詞も -s をつけて所有格に なることにしてもいい。 そうすると、代名詞や疑問詞に -al をつけた場合との意味の違いが不明瞭になるけど。

schools book(学校所有の本)
skuulz buk
school-al book(学校に関する本)
skuul-al buk
Is book(私の本)
miz buk
I-al book(私的な本)
mi-al buk
where-s book(どこの本)
wea-z buk
where-al book(どこの本)
wea-al buk
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1-4) すべて加算名詞にする

 可算名詞と不加算名詞を区別しない。

Give me two water.(水を二つ下さい)
Giv to mi tuu wootam.
many water(たくさんの水)
meni woota
みたいな表現も許容する。
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1-5) 数体系を整理する

 11 から 99 までの数字の表現を以下のように変える。

     ten one,      ten two,.............,     ten nine,   two ten,
 two ten one,  two ten two,............., two ten nine, three ten,
............
nine ten one, nine ten two,............., nine ten nine, 

 英語の数体系は、 ヨーロッパ諸語に見受けられる10進法になっていない数体系に比べれば (世界の言語の数体系参照)、 かなり合理的な数え方をする部類に入るとは思う。 しかし、thirteen(13) , fourteen(14),....., nineteen(19) の発音は、 30(thirty) , fourty(40),......, ninety(90) の発音と非常に非常に 紛らわしいので何とかしたい。 eleven(11), twelve(12) みたいな例外的な単語も気に入らない。 10 から 99 までの数体系も上記のように、 one hundred(100) 以降と同じ数体系で統一したらどうだろうか。 two ten one みたいに単語が三語になるのがいやなら、 two-ten one とか two-ten-one みたいにくっつけることにしてもいいけど。 そうすれば 10個の単語を覚えるだけで 1 から 99 までを数えられるようになる。 ついでながら、序数の first(1番目の)、second(2番目の), third(3番目の)も、four-th(4番目の)以降と同様に、 one-th, two-th, three-th と書くことにしたい。 そうすると two-th が tooth(歯)と同音異義語になってしまうから、 「歯」という単語は teeth(「歯」の複数形)で表すことにするか。 更についでながら、January(1月), February(2月),....., December(12月)も one-th month, two-th month,.........., ten-two-th month にする。

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1-6) 三単現の s はなくす

 主語の人称が何であろうと、現在形の動詞は常に 原型を用いる。

My name be GOTOU.
Miz neim bii GOTOU.
I be Japanese.
Mi bii Japaniiz.
My friend learn English.
Miz frend laan Inglixm.
Many Japanese learn English.
Meni Japaniiz laan Inglixm.
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1-7) 過去形/過去分詞形はすべて -ed にする

 すべての動詞は、接尾辞 -ed をつけることで例外なく 過去形/過去分詞形になることにする。 発音は常に ed とする(たとえ無声音の語尾に接続する場合であっても)。

I come-ed yesterday.(私はきのう来た)
Mi kam-ed yestadei.
break-ed English(砕けた英語)
breik-ed Inglix
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1-8) 否定は not を否定したい語の直前に置く

 否定文をつくるときは not を否定したい語の直前に置くことにする。

This be not pen.(これはペン以外のものである)
Dis bii not pen.
This not be pen.(これはペンではない)
Dis not bii pen.
Not this be pen.(これ以外のものがペンである)
Not dis bee pen.
I not know.(私は知らない)
Mi not nou.
I can-ed not eat* for three day.(私は三日間食べないでいることができた)
Mi kan-ed not iit fo trii dei.
I not can-ed eat for three day.(私は三日間食べることができなかった)
Mi not kan-ed iit fo trii dei.
(* 他動詞の目的語は省略できることにする)
I must not do it.(私はそれをしないべきである)
Mi mast not duu itm.
I not must do it.(私はそれをしなければならない訳ではない)
Mi not mast duu itm.
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1-9) yes/no-疑問文は文末を上げるだけでよい

 yes か no かで答えられる疑問文は、 発話の中では文末の抑揚を上げることで疑問文となることにする。 文章中では、文末に疑問符 ? を付けることで疑問文であると判断することにする。 疑問文で節をつくるときは、節の頭に whether を置くことにする。 抑揚や疑問符のみではなく、はっきりと疑問文であることを示したい場合には、 節でなくても文頭に Whether を置くことにしてもいいかも。

You come-ed yesterday ?(あなたはきのう来た?)
Yuu kam-ed yestadei ?
You know whether that person come-ed yesterday ?(あの人がきのう来たか知ってる?)
Yuu nou weda ri kam-ed yestadei ?
(Whether you come-ed yesterday ?)(あなたはきのう来たか?)
(Weda yuu kam-ed yestadei ?)
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1-10) wh-疑問詞を文頭に出したり、それに伴う倒置をやめる

 who, what, how などの疑問詞を用いた疑問文は、疑問詞を文頭に出さずに、 他の単語と同じように文法的に置かれるべき場所 (主語は主語の場所に、目的語は目的語の場所に)置き、 主語と動詞の倒置などは行わない。 文中に疑問詞があれば、文脈からそれが疑問文だと判断できる ことが殆どであろうが、wh-疑問詞が接続詞や関係詞ではなく疑問詞として 用いられていることを明確にするために、 1-9) と同様に、発話の中では文末の抑揚を上げたり、 文中では、文末に疑問符?を付けて疑問文であることを明示することにする。 wh-疑問文であっても、 疑問文で節をつくるときは、1-9) と同様に、 文頭に whether を置くことにする。 抑揚や疑問符のみではなく、はっきりと疑問文であることを示したい場合には、 節でなくても文頭に Whether を置くことにしてもいいかも。 倒置をやめることによる弊害の一つとして、疑問詞と接続詞の区別 (例えば、「いつ?」の when と「……する時」の when の区別)がつかなくなる。 エスペラントなどでは、この区別をしていなくても特に混乱はないので、 この区別をしないままでも特に問題はないと思えるが、 もし、これらを区別する場合は、接続詞の方は、 (エスペラントの tiam, kiam とかに倣って) then when のように、先行詞+関係詞として与えることにする。

If you marry-ed whom, you can-ed happy-en ?(誰と結婚していれば、しあわせになれましたか)
If yuu mari-ed huu-m, yuu kan-ed hapi-en ?
Then when you go-ed to where-ness, you meet-ed that person ?
(どこに行った時、あの人に会いましたか)
Den wen yuu gou-ed tu wea-nes, yuu miit-ed rim ?
You know whether that person go-ed to where-al shop ?
(あの人がどこの店に行ったか知ってますか)
Yuu nou weda ri gou-ed tu wea-al xop ?
(Whether) this break-ed what ?(これは何を壊しましたか)
(Weda) dis breik-ed wat-m ?
(Whether) what break-ed this ?(何がこれを壊しましたか)
(Weda) wat breik-ed dis-m ?
(Wheter) you and who do-ed what when, here and where ?
(あなたと誰がいつ、こことどこで何をしましたか)
(Weda) yuu and huu duu-ed wat-m wen, hia and wea ?
(Whether) bread which you eat-ed in which-al shop be good-taste-al ?
(どの店で食べたパンがおいしいですか)
(Weda) bred wic-m yuu iit-ed in wic-al xop bii gud-teist-al ?
こういうのが紛らわしければ、疑問詞と関係詞を別の単語にして区別するという手もある。
(Whether) you think that who come-ed ?(誰が来たと思いますか)
(Weda) yuu tink dat huu kam-ed ?
エスペラントの via-pense(あなたの考えでは)みたいな副詞を真似すれば、
(Whether) your-think-ly who come-ed ?
(Weda) yuu-z-tink-ly huu kam-ed ?
みたいな表現もあり得る。

02/4/21,5/10追記:掲示板に書き込まれた意見を参考に修正した。

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1-11) -m を付けて目的語を明確にする

 他動詞の直接目的語には対格接尾辞 -m を付けて 目的語であることを明示することにする (常に対格語尾をつけるのがめんどうであれば、 目的語が倒置して動詞よりも前に来た時には必ず付けるという ことにしてもいい)。 語尾が m で終わる単語には -um を付けることにする。 間接目的語は常に to などの前置詞を伴う副詞句として与えることにする。

Dog eat-ed catm which for three day not can-ed eat anything.
Dog iit-ed katm wicm fo trii dei not kan-ed iit enitingm.
(犬は、三日間何も食べることができなかった猫を食べた)
Dogm eat-ed cat which for three day not can-ed eat anything.
Dogm iit-ed kat wic fo trii dei not kan-ed iit enitingm.
(三日間何も食べることができなかった猫は犬を食べた)
I give to cat dogm.(私は猫に犬を与える)
Mi giv tu kat dogm.
I give catm to dog.(私は猫を犬に与える)
Mi giv katm tu dog.
I eat-ized to cat dogm.(私は猫に犬を喰わせる)
Mi iit-aiz-ed tu kat dogm.
I eat-ized catm to dog.(私は猫を犬に喰わせる)
Mi iit-aiz-ed katm tu dog.
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1-12) 代名詞の性区別をやめる

 三人称代名詞として、性を区別しない新たな単語を導入する。 ここでは、「エスペラントから性区別をなくそう」という riismo で用いている ri を 取り敢えず借用して、 主格:ri, 所有格:riz, 対格:rim とする。

 そうすると、ついでに男用の敬称 Mr. と女用の敬称 Ms. の区別も なくしたいが、その手の、男女の区別をしなくていい単語については、 性的に中立な新たな単語を導入していった方がいいだろう ( chair-man -> chair-person とか work-man -> worker みたいに)。

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1-13) 代名詞体系の整理

1-3), 1-11), 1-12) の変更に従って、代名詞体系を以下のように 整理する。 但し、ここでは、現行の英語に見られる同音語/同綴り語との混乱を避けるため、 次項で提案する 表音表記 を用いた。

 mi(私は)      miz(私の)       mim(私を)
yuu(あなたは) yuuz(あなたの)  yuum(あなたを)
 ri(あの人は)  riz(あの人の)   rim(あの人を)
 sam-mi(私たちは)      sam-miz(私たちの)      sam-mim(私たちを)
sam-yuu(あなたたちは) sam-yuuz(あなたたちの) sam-yuum(あなたたちを)
 sam-ri(あの人たちは)  sam-riz(あの人たちの)  sam-rim(あの人たちを)

 一人称は ai でもいいけど、そうすると、所有格 aiz が 他動詞化語尾の ize と同音になってしまうから、 ここでは mi にしておく。 yuuz は use と同音異義語になってしまうから、 所有格語尾をすべて -al にするという手もある。


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2) 発音と表記

2-1) 母音は aiueo の 5 音とする

 母音は a, i, u, e, o の 5音とし、a, i, u, e, o の文字で表記する。 長音は、同じ文字を二つ並べて表す(aa, ii, uu, ee, oo)。 二重母音は、二つの母音字を並べて表す(ai, au, ei, ou)。 現行の英語の母音は以下のようにこの五母音のいずれかに置き換える。 その際、アクセントのない音節の曖昧母音 ə に関しては、 単語の綴り字が i の場合(ability)は i, 単語の綴り字が e の場合(basket)は e, 単語の綴り字が o の場合(lemon)は o, それ以外(column, data)は a とする。


ʌ (up) -> a (ap)
ə:r / ʌ (hurry) -> a (hari)
ɑ: (father) -> aa (faada)
ɑ:r (card) -> aa (kaad)
æ (kat) -> a (kat)
æ: / ɑ: (ask) -> aa (aask)
ər (butter) -> a (bata)
ə:r (earn) -> aa (aan)
ə (column) -> a (kolam)

i (ink) -> i (ink)
i: (eat) -> ii (iit)
ə (ability) -> i (abiliti)

u (good) -> u (gud)
u: (food) -> uu (fuud)

e (end) -> e (end)
ə (student) -> e (stuudent)

ɑ, ɔ (ox) -> o (oks)
ɔ(:) / ɑ (dog) -> o (dog)
ɔ: (all) -> oo (ool)
ɔ:r (order) -> oo (ooda)
ə (lemon) -> o (lemon)

ai (ice) -> ai (ais)
au (out) -> au (aut)
iər (ear) -> ia (ia)
uər (poor) -> ua (pua)
eər / æər (air) -> ea (ea)
ei (aim) -> ei (eim)
ou / əu (open) -> ou (oupn)
ɔi (oil) -> oi (oil)

因みにエスペラントの母音も a, i, u, e, o の 5音である。

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2-2) 1子音は1文字で表記する

 子音は、 b, d, dʒ, f, g, h, j, k, l, m, n, p, r, s, ʃ, t, tʃ, v, w, z の 20 音とし、それぞれ b, d, j, f, g, h, y, k, l, m, n, p, r, s, x, t, c, v, w, z の一子音一文字で表す。 表記 j の発音としては dʒ を推奨するが、ʒ でも構わないことにする (これらの区別をしないことにして、j の文字表記で統一する)。 l の発音は、舌を上歯茎の裏につけて発音しさえすれば、 発音終了までつけっぱなしでも早めに離しても構わないものとする。 r の発音としては、イタリア語やスペイン語で使われるような巻き舌 r を推奨 するが、l と区別できるぶんには、 ドイツ語やフランス語で使われるような喉を震わせる r や、 日本語で使われる「ラ行」の r (0.5 回巻き舌?)なども許容する。 舌を反らせて発音する英語の r 音は、l との区別が困難なので、 できるだけ避けることが望ましい(なんちゃって)。 現行の英語綴りで th で綴られる θ の発音は t に、 ð の発音は d に置き換える。 現行の英語綴りで wh で綴られる hw の発音は、w とする。


b (bed) -> b (bed)
d (desk) -> d (desk)
ð (this) -> d (dis)
dʒ (judge) -> j (jaj)
ʒ (measure) -> j (meja)
f (free) -> f (frii)
g (go) -> g (gou)
h (house) -> h (haus)
j (you) -> y (yuu)
k (come) -> k (kam)
l (label) -> l (leibel)
m (move) -> m (muuv)
n (note) -> n (nout)
p (person) -> p (paason)
r (right) -> r (rait)
s (small) -> s (smool)
ʃ (show) -> x (xou)
t (text) -> t (tekst)
θ (think) -> t (tink)
tʃ (choose) -> c (cuuz)
v (vowel) -> v (vauel)
w (way) -> w (wei)
z (busy) -> z (bizi)

 以上のように、母音と子音の発音と表記とが 1 対 1 に対応するような 表音表記になっていれば、 どんな単語も綴りを見れば発音できるし、 発音を聴けば表記できることになる。 因みにエスペラントも、それを目的とした 1 字 1 音の表音表記が 採用されている(そのため、ch の音を 1 字で表すために ĉ などの字上符つき文字が導入されている)。 但し、英単語の発音をこのように単純化すれば、当然、 多くの同音異義語が発生してしまう。

first / fast -> faast
but / bat -> bat
cut / cat -> cat
by / buy -> bai
tree / three -> trii

 こうした単語群に対しては、他の単語を導入するなどの対処が是非 必要であろう。というか、今回の2-1)2-2)の単純化で同音異義語になってしまうような 単語群というのは、 英語を母語としない者にとって、もともと聞き分けや発音し分けが極めて困難な 単語な訳であり、こうした単語の存在も、正に 英語を聞き取りや発音の極めて困難な言語にしている一因なのだから、 やはりこうした紛らわしい単語群はなんとかすべきだろう。

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2-3) アクセントは語頭に置く

 どの単語もアクセントは先頭の音節に置く。

 英語は、語尾が子音で終わる単語が多く、そのため、 隣り合う単語どうしがくっつきやすく、 単語と単語の切れ目を聞き分けるのが非常に困難になっている (ここここも参照)。 因みにエスペラントは、語尾で品詞が決まるので (-o なら名詞、-a なら形容詞、-e なら副詞など)、 語尾が母音で終わる単語が多く、アクセントは後ろから二番目の音節と 決まっているので、単語の切れ目を聞き分けやすくなっている。 語尾が子音で終わる単語が殆どである英語の場合は、 アクセントを語頭に置くのが単語を聞き分ける上で都合がいいだろう。 因みにハンガリー語でも単語のアクセントはすべて語頭にある。

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……続く。

まだまだ「合理化?」したい点はいっぱい残ってるけど、 取り敢えずは、この辺で。


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