エス和、和エス辞典


Esperanto-Nipona kaj Nipona-esperanta vortaroj

エスペラント版
(Esperantlingva versio)

注意

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 広高正昭さんの頁の 「エスペラントの部屋」 から、以下の各種 エス日辞典を lha で圧縮したファイルを入手できます。
1) 実用エスペラント小辞典 β2版 (Ver 0.20) pejv020.lzh 1998-09-15 136KB 派生語や合成語を含む約10000語を収録。地名・コンピュータ用語を充実。

2) 実用エスペラント小辞典 β1版 (Ver 0.10) pejv010.lzh 1998-09-01 89KB 派生語や合成語を含む約7500語を収録。

3) エスペラント日本語基本辞書 (Ver 1.4) evej014.lzh 1996-09-23 81KB 初学者の学習には十分な約4700語を収録。

4) 電子版エスペラント日本語単語集 (Ver 1.0) pevl10.lzh 1997-01-15 287KB 『電単』正式公開版。1万5千語を収録。

 因みに、エス和辞典は、語幹のみの辞典よりも派生語や合成語を含んでいる ものの方が遙かに有用で、教育的でもあると私は考えているので (理由は「エスペラントとは」 ——どんな辞書がいいか)、上記の辞典の中では、1) や 2) を薦めます。 3) と 4) の辞典は、「語幹」のみを収録した辞典であって、 合成語の類いは含んでいません。 1999/3/28 まで、ここに上記 3) のエス和辞典を和エスの順に並び替えた、 和エス辞典を置いていましたが、派生語/合成語がないために、 まるで有用でないので取り下げました。 エスペラントを学習したことのない人が初めてこうした語幹のみの辞典を見ると、 エスペラントの単語がヨーロッパのロマンス語系の単語をそのまま 借用しているように思うかも知れませんが、実際には多くの派生語や 合成語が多用されます。 また、「全て」の語幹には、名詞語尾(-o)、形容詞語尾(-a)、副詞語尾(-e)、 動詞語尾(原形-i、現在-as、過去-is、未来-os、命令-u)、 他動詞化語尾(原形-igi)、自動詞化語尾(原形-ig^i)等々を「例外なく」 つけることによって、一つの語幹から多くの単語に派生することができます。 それがエスペラントの利点です。 但し、pevl.txt に特に認められるように、 基本語から十分に造語できるような多くの高級語に対して、 ラテン ギリシア系の高級語の語幹が安易に借用されてきているのも 事実であり、この点に関しては、今後エスペラントの改善されるべき点の一つだと 私は考えています (この問題については、 「使いたくないエスペラント単語集」 の頁で詳述した)。
 こうした電子辞書の存在は、電子媒体でエスペラントを利用している私などには 非常に有り難く、 編集作業をして下さった方々には深く感謝いたします。

 ところで、この見出し語の選択には、ちょっと気に入らない部分も あります。 pevl.txt と evej.txt には、Elizabeto とか Mario とか Petro と いったヨーロッパ人の名前がたくさん出てきますが、 Suzuki とか Kim といった非ヨーロッパ人のありふれた名前は一切、 載っていません。pevl.txt の方に関してはPIV(フランスの全世界 無民族協会で出版しているエス−エス辞典)の見出し語をそのまま、 借用してきたのでしょうから仕方ないとしても、「基本辞典」の evej.txt にまで、ヨーロッパ人の名前を載せる必要はあるでしょうか。

 また、私は、 エスペラントの文脈で頻出するためにエスペラント化した方が 便利かも知れない国名などを除き、 個人名といった 固有名詞は無理にエスペラント化する必要性はないと いう考えを持っているので (「エスペラントをより中立に」の頁)

、 ヨーロッパ人の個人名にしても Elizabeth を Elizabeto とか Mary を Mario とかする必要はないと思うし、従って、エス和辞典に エスペラント化した固有名詞を載せること自体に疑問があります。 民族語のローマ字表記のまま固有名詞を使ったのでは発音が分からない ということであれば、( )書きでエスペラントの綴りで近似した発音 を示せば済むことだと思います。

 また、エスペラントの文脈で頻出するためにエスペラント化した 方が便利な国名や地名などにしても、できるだけ現地の発音や表記を 尊重したものに置き換えていった方が望ましいと個人的には 考えております。

 ニューヨーク(New York)を Novjorko(新ヨーク) などと書くのも私は好きではありません。 石巻をその語源に即して S^tonvortico(石の渦)とでも書いているようなものだと思います。 la urbo New York (Njuu Jork) とでも書けば十分ではないでしょうか。 尤も、既にエスペラントの書物の中で使われてしまっている Novjorko のような地名をエスペラント初心者とかが見ても何のことか 分からないだろうから、エス和辞典に載っていた方が親切だという考えは できますが、固有名詞は必ずエスペラント化して用いなければならない と思い込ませるのを手伝ってしまうかも知れません。

 あと細かいことですが、 evej.txt には Kristo(キリスト)や katoliko(カトリック教徒) はあるようですが、 Budao(仏陀)はないのではありませんか。 galantino とか kariofilo とか kringo とか vermic^elo といった 私には聞いたことのない (恐らくヨーロッパの)食べ物?がたくさん載っている割には、 sojo(醤油)やmisoo(味噌)といった 日本人にとっての必須語彙が載っていな いのも気になります。

 勿論、ヨーロッパ人の作った辞書を下地にしているために、 語彙がヨーロッパ寄りになってしまう部分はあるのでしょうが、 僭越ながらも気に掛かったことを書いてみました。

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